2月25日に行われた、アルピニスト 野口 健 氏の講演会の様子を、保護者、生徒、教員の視点からご報告いたします!

つばさで講演する野口健氏
★まずは今回の講演会実現に尽力された保護者の方からのご報告です。
2月25日(水)三年越しのラブコールに応えて、野口健氏が本校へ講演にやってきてくださった。はじめて会った皆の感想は「もっと大きい人だと思った」と。
野口さんは、先ず、アルピニストとしての体験を話された。というのも、近年は清掃活動の野口健として認識されることが多いので、ご自分の原点である登山ということから、話が始まった。
なぜ、山に登ることになったのか、高校時代の悪童体験を話された。学校で問題を起こし、停学中に出会った、植村直己さんの「青春を山に賭けて」に触発され山を目指すようになり、各大陸の最高峰を登り、2度の失敗を経て、ついに、1999年25歳の当時最年少で7大陸の最高峰制覇。登山からいろんなことを学び、体験されたと。極限状態での自己責任。一瞬の判断が、生死を分ける。だから、自分の基準を明確に持つことが大切となる。エベレスト登頂の成功率は3割しかないそうだ。つまり、登頂することが成功と思えば死ぬことになる。そうならないために、ぶれない基準を持つことが必要であると。山で究極の決断をした人の話だから、生徒たちも自己責任の意味を感じたのではないだろうか。
それと同時に自分をほめることも大切であると。大げさに、声を出して「野口、よくやった!」と。人生トータル51%の成功と、49%の失敗と考えれば楽になれる。
そして、エベレストのベースキャンプで言われた、日本隊の捨てたごみのこと。「日本は、経済は一流だが、マナーは最低だ」という言葉。それが、エベレストの清掃登山を始めるきっかけとなった。上るだけでも大変なエベレストで、5年間清掃登山でごみを下ろし続けた野口さん。それは、とても過酷なもので、手伝ってくれていたシェルパをこれが元で3人亡くした。そんななかでも、シェルパたちは野口さんを責めることなく、今度は自分たちでエベレストを綺麗にすると言ってくれたことに野口さんはとても感動されたそうだ。
最後に、体験することの大切さを話された。野口さんは、いろんな所、国に行かれる際に、インターネットで調べるそうだ、でもそれは平面的なものに過ぎない。行ってみて始めて、三次元のものとなって膨らんでいくそうだ。だから、座って勉強するだけでなく、体験すと事の重要性。本校の教育理念にまさしく合致することである。人のあまりすることのないことを体験した方の言葉であるので、生徒たちも感銘を受けたことだろう。
1時間少々のお話。あっという間で、笑いと感動の講演会であった。
(PASTA書記 K.H)

深刻な話をコミカルに熱く語る野口さんと、おもわず爆笑しながらも真剣に聴き入る生徒・教員たちの様子です・・・
★次に教員と生徒からの感想です!
アルピニスト(登山家・冒険家)野口健さんの講演会が2月25日(水)本校アリーナ1でありました。1時間余りのお話でしたが『すごいっ!!』の一言です。生徒・教員・保護者ともども話を食い入るように聞き感動しっ放しでした。以下お話の内容で学んだことです。(抜粋)
●自分の基準を明確に持つ
●3割バッターで良い(100%を求めると無理が生じる)
●声を出して自分をオーバーに褒める
●あきらめず続ければ良いマナーは周りに一気に拡がる
●現場の生の体験で初めて『知る』ことができ、それが重要
●人生トータル51%の成功、49%の失敗で、楽になれる
(担任O)
今まで聴いたことがない話が聞けて、とても勉強になった。「言ってしまったことはやらなければならない」ということはすごく共感できたし、これからは発言や行動に責任を持って生活していきたいと思った。野口さんの山の清掃活動は、いろんな人に影響を与えるとても大きなもので、野口さんはすごい方だなと改めて感じた。(2年F)
エベレストがそんなに死と隣り合わせの場所だとは知らなかった。どれが失敗で何が成功かということを自分の中に作ることは、確かに大切だ、と思った。私はエベレストには登らないだろうけれど、そういうことが自分の中にあれば、自身がぶれるようなことはないんだろうと思う。富士山のごみ拾いに参加したいと思った。(2年S)
とても感動しました。あんなにもつらい内容を楽しく話せる人はなかなかいないと思います。「やるときはやる」という精神を自分も見習って生きていきたいと思います。(2年O)
野口健さんの話を聞いていて驚いたことが、まず山というのは普通に死人がたくさん出ていて、映像にも実際に写っていたということです。他にも野口さん自身の山の清掃活動からの話など、とても面白い話が聞けて、本当に良かったです。(1年K)
以上で野口健講演会のご報告を終わります。熱い講演をしてくださった野口さん、本当にありがとうございました!
(ISO講演担当M)