(報告2より続く)
二月ほど空いてしまってすみません。あと2回で終わりです。
さて、午後はまずパネル展示で楽しく交流と勉強。
会場は3階のラウンジ・ホームベースへ。
展示以外の「特別企画」も含め、今年は16団体が出展。
以下、筆者の実見と各団体ご自身の紹介をもとに、展示の概要や趣旨をレポートします。
★特別企画1『環境すごろく』
(経産省カーボンフットプリント試行事業)

通常のパネル展示にも出ている団体ですので、「カーボンフットプリント」についてはそこで説明します。
このブースでは、食器メーカーが「食器の一生と各場面で出るCO2の量」を大型すごろく化。来場者は「駒」になって盤上を進むことで、それを学習します。
ゴールすると右写真のマグカップをプレゼント。もらった皆さんはCO2排出量の少ない使い方・廃棄方法を。
なお写真に写っていないのですが、すごろくの奥には天井に届かんばかりの巨大な風船が・・・食器の一生で出るCO2の量だそうです。
★特別企画2『鉄道と環境についてのプレゼンテーション』
(東日本旅客鉄道株式会社)

筆者は国内旅行=鉄道なのですが、「車の売上が減っている」と言われる割に、街にはマイカーの姿がまだまだ目立ちます。
でも、まとまった人や貨物の流れがある限り、鉄道は一番エコな乗り物です。
それに始まり、新型車両がもたらす電力使用量の削減、多くの電車を動かす自前の水力発電・・・といった「JRの列車」に秘められたエコを豊富な画像・資料で解説。
続いて、駅ナカ事業での節電、鉄道防風林から始まった緑化活動、使用済み切符から作った駅トイレ用のットペーパーなどの意外な環境活動が紹介されました。切符やペットボトルの再生品は現物が会場にも展示され、鉄道ファンを含む高校生たちの関心を集めていました。
★特別企画3『糸つむぎ体験など』
(都立つばさ総合高等学校福祉部)

本校産の綿を使い、昔ながらの糸つむぎと機織りを体験。福祉部の生徒が懇切に指導いたします。
すっかりおなじみの企画ですが、年齢を問わずに人が集まっていました。
綿作りから綿布製作までのプロセスは会場にも掲示されていましたが、前回サミットの「高校生の実践発表」で発表もさせていただいています。
不要になった布は端切れとしてリユースできるのはもちろん、糸に戻してリユースもできるそうです。
筆者も毎年挑戦するのですが、どうしても糸が上手につむげない・・・(苦笑)
★NPO法人 海辺つくり研究会
多摩川河口域を舞台に、自然環境の調査研究に取り組む市民の会。
ハゼ釣りや干潟に入っての植生調査など、事業はすべて市民に参加を呼びかけて行われます。
そんなわけで、高校生・大学生への自然観察のお誘いをメインに参加して下さいました。
・・・が、すみません、スタッフの方でブースの写真を取り損ねてしまっております。テキストでの紹介のみにて失礼。
★株式会社 東京流通センター

モノレールの駅名でもおなじみの、トラックターミナルや倉庫を営む地域の企業。ある種のイベント会場としてご存知の人も多いと思いますが(笑)。
普通のオフィス以上に大量の電気を使う業種ですが、冷暖房に最新式の設備を導入してこれを削減。ほか、全社を挙げて廃棄物の分別を行う仕組みなどを紹介しました。
たくさんのスタッフでいらして下さいましたが、高校生がブースを訪れる姿も大変目立っていました。
★慶應義塾湘南藤沢高等部 環境プロジェクト

生徒の有志団体「環境プロジェクト」の活動紹介ですが、大人びた丁寧な案内が印象に残りました。
このあと実践発表を行っていらっしゃるので、内容はそちらの記事で紹介します。
★経済産業省カーボンフットプリント制度試行事業

カーボンフットプリント・・・訳して「CO2の足跡」。物の生産から廃棄までの通算でCO2排出量を考え、削減に取り組んでいこうという考え方です。
特別企画の方は食器がモデルになっていましたが、こちらは学生服メーカーによる「学生服の一生」。学生服の原料や生産のプロセスを展示し、そして各過程での排出量をクイズ形式で学ぶという内容でした。
つばさでも取り組んでいる、「廃棄しない(制服のリユース)」が排出量の削減になることが分かりました。
★経済産業省 関東経済産業局

初期のサミットから毎年、テーマを変えて出展をいただいています。
今年は新エネルギーや省エネの技術・工夫、そして「スマートコミュニティー」をスライドショー中心に紹介。これも毎年のことですが、時にはスライドを途中で止めて、来場者一人ひとりとの応対を心がけて下さっていました。
スマートコミュニティーというのは、地域内の再生可能エネルギーで得た電力をもとに、スマートグリッドで無駄のない電気供給を行って、エネルギー自己完結型の町づくりをする構想です。被災地の再建をめぐっても時々話題になりますね。
★工学院大学 Ⅰ部学生環境ISO委員会

八王子・新宿にまたがる広大な学内を舞台に、一般の学生も巻き込んで、ゴミ分別や無駄な照明のチェック、ペットボトルキャップ回収などに取り組みます。
それらの展示の他、クイズ形式で環境問題やエコな工夫を学んでもらい、キャップから再生された小物をプレゼント。
★工学院大学附属中学・高等学校 生徒会

同校生徒の環境活動を紹介する展示。つばさと同じく、分別によるゴミ削減を熱心に取り組む学校ですが、大学生とも連携して、校内環境などの調査研究も手がけている様子でした。
★実践学園中学・高等学校 環境プロジェクト
・・・失礼しました。こちらも画像がありません。
屋上緑化(というより農園化)の取り組みで有名な生徒有志ですが、今年は震災を機に、再生可能エネルギーについての研究を発表。
屋上農園の発表時と違って展示に派手さはないのですが、にもかかわらず、タイムリーさゆえか注目を集めていました。
★社団法人未踏科学技術協会/消費者環境教育研究会

震災・原発事故を機に行った、高校生対象の意識調査をメインに発表。
放射線問題などについて意識や対応を答えてもらった結果ですが、高校教員の研究会だけあって母数は十分。中には意外な結果もあり、環境活動のかかわっている高校生から驚きの声も。
★東京都市大学環境情報学部 横浜キャンパスISO学生委員会
大学では初めてISO14001認証を取得したキャンパスですが、システムに学生が大きくかかわっているのが特徴。学生が教職員に対して監査を行うことも。
ほか、地域で集めた使用済み蝋燭を使ってのキャンドルナイトや、学内外での環境調査なども紹介。
・・・こちらもブースの写真を取り損ねました、すみません。ホームページをお持ちのようなのでご参照を。
★東京都立科学技術高等学校 科学研究部

科学研究部の名にふさわしく、調査研究の成果発表。今年は地域にある緑豊かな庭園を舞台にした、水質や植生の調査がメインでした。
パネルは少ないのですが、案内の生徒は丁寧で、そして関心の高さがにじむ詳しい説明をして下さいました。
★東京農業大学 ISO14001関連学生環境団体「いそべや」

壁には巨大な大根の絵、机には色とりどりの紙とペン・・・「自分にできること・したいこと」を大根の白い部分に貼って、参加者みんなで埋め尽くすイベントです。いそべやの参加型企画は今年も健在で、見つけた方々が思わずペンを取る姿が常にありました。
同大はISO14001認証から「卒業」したとのことでしたが、それが後退ではないのが明るい雰囲気からもよく分かりました。
★東洋大学 公認環境社会系サークル「アカシアの木」

「フェアトレード」をご存じでしょうか。「同じ輸入するなら自然環境や人権に配慮して作られた物を」と考え、原産地への支援や購入時の工夫でそれを支援する取り組みです。
フェアトレード製品であるチョコレートの試食もできたせいか、開始早々人の集まりがすごかったです。他にも「リユース食器」の共同購入など、サミットでは珍しかった「経済」を切り口にした展示発表でした。
★早稲田大学高等学院 環境プロジェクト

生徒の有志団体「環境プロジェクト」の活動紹介。皆さんとても社交的で、ブース外でも特に積極的に交流を図ってくれました。
このあと実践発表を行っていらっしゃるので、内容はそちらの記事で紹介します。
なお、パネル展示の時間を通して、「ティータイム」として茶菓の提供が行われました。
お菓子は例年、本校屋上のハーブを使った「ハーブクッキー」でしたが・・・今年は諸事情(今回のテーマに関係した事情もあります)により提供中止。

かわりに今回は、
福島県・喜多方産の「たまり煎餅」を取り寄せ、皆さんに食べていただきました。
会津地方は原発から100キロ以上離れ、放射線量は相当に低い(若松・喜多方ともに年換算0.1ミリシーベルトを下回る)にもかかわらず、「福島県」ということで観光業や物産の売上減少で苦しんでいます。
どのみち何かを買うなら被災地支援を、という考えに今回のテーマを考え合わせ、あえて福島県の物産を選びました。
柔らかくて薄味の、でも歯ごたえや醤油の香りがしっかり楽しめる煎餅で、思わぬ拾い物でした。
=参加者アンケートより=
回答の大半はパネル展示全般にではなく、個別のブースへの「面白かった!」「次はもっと○○して下さい!」といった声でした。
「環境すごろく」「いそべや」など参加型の企画、そして「アカシアの木」のような『サンプルつき』の企画に人気が集まりました。
そして、ティータイムの「たまり煎餅」も好評をいただきました。
実は余ってしまったのですが、アンケートでの好評を見て一安心。「福島産=危険」という短絡的な認識もこの会場にはありませんでした。どうやら「枚数が十分にないのでお一人様一枚」を強調しすぎたのが原因らしいです。
一方で、まず「やっぱり時間が短い」という声が、主に出展者側から聞かれました。時間の配分は毎回悩ましいものですが、今後も考えていきます。
また、これはサミット全体にかかわる課題でもあるのですが、
「もっと参加者が増えてほしいし、参加団体ももっと大勢で来てほしい」
「新しい参加団体・参加校をもっと呼び込む工夫を」
そんな趣旨の声が、出す方・見る方を通じて聞かれました。せっかくの行事にしては人が少なく、顔ぶれも固定化しているとの指摘です。これについては次回掲載予定の「まとめ」で触れていきたいと思います。
(つづく・・・次回はいよいよ最終回)